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25

October

2017

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あの仕事を体験したら、読みたい本。【2】

キッザニアで体験できる職業をテーマに、ブックディレクターの山口博之さんが本を紹介する連載。第2回目のテーマは「発明」、「印刷」、「科学」の3つです。乗り物に関する昔の発明を学べる本や、ものづくりには多くの人が関わることがわかる本、目には見えない細胞の世界に興味を抱ける本など、ブックディレクターならではのセレクトをお楽しみください。


 
 

『図説 発明狂の時代』

この本にまつわる仕事「飛行機」

出版社:JICC出版局(現・宝島社) ※ご紹介する本は、現在販売しておりません。

パイロットやキャビンアテンダントは、今も昔も憧れの職業のひとつ。でもライト兄弟が有人飛行機を発明する前は、飛行機自体が夢の乗り物でした。『図説 発明狂の時代』は、19世紀後半の世界の科学雑誌で紹介された発明レポートをまとめたもの。実現したものも、そうでないものもありますが、当時、それなりの根拠と希望を持って発表されていました。紹介されているのは実現したブルックリン大橋をはじめ、電話による劇場中継方式や口髭保護器などがあるかと思えば、思わず顔をしかめるか、もしくは笑ってしまう珍発明もたくさん。そして飛行機開発は時代の大きなテーマでした。空中自転車や空中戦艦など、力学と素材を考慮して、「いつか人間は空を飛ぶんだ!」ということに本気で向き合っています。ひとつの発明で世界が変わることってありますよね。当時の珍発明を見て爆笑(失笑)するかもしれないけれど、当時の“珍”が今の“当然”になっているものもたくさんあります。親は、こどもの突飛なアイディアを幼稚と考えがちですが、実はすごい発明の萌芽かもしれません。自由な発想によって、未来が大きく変わる可能性を感じることができます。

 
 


 

『KOTO BOLOFO – I SPY WITH MY LITTLE EYE SOMETHING BEGINNING WITH S』

この本にまつわる仕事「印刷工房」

出版社:Steidl

書籍編集やDTP、印刷に興味があるお子さまにおすすめしたいのが、世界的に有名なドイツの出版社シュタイデルで働く人々と制作、印刷の現場を撮影した写真集。著者のコト・ボロフォは、雑誌「ヴォーグ」や「ヴァニティ・フェア」などでファッション写真を撮りながら、エルメスの工房に初めて立ち入ることを許された写真家でもあります。被写体であるシュタイデルは、カール・ラガーフェルドやロバート・フランクなど世界のトップアーティストから熱い支持を受けている出版社。ひと言で「出版・印刷」と言っても、そこには多くの人が関わっていて、シュタイデルでは編集からデザイン、製本まで、本に関わる全工程を自社で行なっています。写真集に登場するのは、プリンティングディレクターや本を運ぶトラックのドライバー、ハウスキーパーなど様々。ひとりひとりが素晴らしい本をつくることの一端を担っているという誇りを感じることができます。ものを作るには多くの人が関わっていることを知り、仕事にプライドを持つ大切さを学ぶことができる本です。

 
 


 

『はたらく細胞』

この本にまつわる仕事「科学研究所」

出版社:講談社

キッザニアの科学研究所では、ビーカーを使って菌の実験をしたり、顕微鏡を使って菌の観察を行ったりしていますよね。そういう目には見えない、ミクロの世界に興味があるお子さまにおすすめしたいのが、マンガ『はたらく細胞』です。登場人物は白血球や赤血球、キラーT細胞、マクロファージなど、人間の体内細胞を擬人化したキャラクターたち。インフルエンザ・ウィルスや花粉が体内に入ってきたら、体内の細胞は闘っているわけですが、それをバトル形式で描いています。社会と同じで、細胞にもそれぞれ役割があります。例えば、白血球は体内に侵入した細菌やウィルスを駆除するし、マクロファージは細菌を捉えて殺し、抗原や免疫情報を見つけ出す。細胞を擬人化して格闘シーンを交えることで、そういう役割や仕組みを、こどもも大人もわかりやすく学ぶことができます。もしもこどもが転んでひざを擦りむいたとしても、「マンガで読んだみたいに体の中で細胞さんたちが闘って治してくれているよ」と話しをすれば、痛みとの向き合い方も変わるかもしれませんね。

 
 

あの仕事を体験したら、読みたい本。【1】
 
 
 

山口博之

1981年仙台市生まれ。立教大学文学部英米文学科卒業。大学在学中の雑誌「流行通信」編集部でのアルバイトを経て、2004年から旅の本屋BOOK246に勤務。06年、幅允孝が代表を務める選書集団BACHに入社。様々な施設のブックディレクションや編集、執筆、企画などを担当。16年に独立。様々な場所のブックディレクションをはじめ、ブランドや広告のディレクション、さまざまな編集、執筆、企画などを行なっている。手がけた書籍は『KIGI』、『持ってゆく歌、置いてゆく歌』(大谷能生)、『ヨコちゃんとライオン』(角野栄子)、『蝙蝠』(ミヤケマイ)などがある。現在、honeyee.comでブックレビューを連載中。

 

この記事で紹介されたアクティビティ

「飛行機」
キッザニア東京 / キッザニア甲子園

「印刷工房」
キッザニア東京 / キッザニア甲子園

「科学研究所」
キッザニア東京 / キッザニア甲子園

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