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7

January

2019

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森岡督行さんに聞く、俺の子育てルール

こどもの世話に手を焼いているお父さんはいませんか? 一方、世の中には子育て上手なパパもいます。その差は何か? とっておきの秘訣があるのでは? 「キッザニアの窓」では、育児に熱心なお父さんたちのマイルールをご紹介。今日から始められるルールが見つかるかもしれません。


かつてない本屋を営む2児の父、森岡督行さん。

銀座にある、「一冊の本しか売らない」というコンセプトの本屋、森岡書店。その店主である森岡督行さんは仕事柄、日々本と身近に接しています。本は教育面でこども達に与える影響も大きいと語る森岡さんは、中学校1年生と小学校2年生になる2人の娘さんの父。海外出張も増え、なかなか家族との時間を作れない中でどのようにお子さんたちとコミュニケーションをとられているのでしょうか? 森岡さんらしい、奥深い子育てルールを伺いました。

ルール1:希望や豊かさを感じる本を読み聴かせる。

こどもと顔を合わせる時間は、朝通学する前か夜寝る前。私は、夜に絵本の読み聴かせをすることを心がけています。ちなみに今読んでいるのは、世界中の地図が描かれている「MAPS」という絵本。大人も楽しめるような細かいタッチのイラストで、文章のない地図の読み聴かせも面白そうだと思い、購入しました。最近は海外出張も増え、出張先の国について聞かれることも。こども達に「インドってどんな国?」と尋ねられた時に説明するツールとしても役立っています。読み終わった後には次の日に読むページも決めて寝ているほど、こども達も気に入っている一冊です。私には読み聞かせの本の基準は希望や豊かさが感じられるもの。自分がこどもの頃に読んでいたものを選びがちですが、私はあえて選書を全力で楽しむようにしています。こどもの頃にどんな本に触れたかが、その子の将来にも関わってくると思いますし、娘たちが読む本を自分が選んであげられる期間には限りがあるので、本を選ぶたびにいつも貴重な経験をさせてもらっていると思っているんです。娘たちの反応から好みのジャンルを知ることができるので勉強になります。こども達からのリクエストをうまく交えながら選書を考えたりするのもまた、面白いですよ。

ルール2:「いってらっしゃい」ではなく、「今日も楽しんできてね」。

上の子がまだ幼い頃、動物公園に向かう途中、駅で偶然出くわした知人から「いっぱい楽しんできてね」と声をかけてもらいました。とても素敵な言葉だと思い、それからは自分でも毎日こども達に「今日も楽しんできて」と声をかけるようにしています。世の中は、善悪、美醜、陰陽などすべて二元論で成り立っていると思います。そして、そういう風に捉える感性が人間にあるとも思っています。どちらかが必ず世界にあるとしたら、こども達には、豊かさ、美しさ、すばらしさの方をいつも見て欲しいなと願っているんです。もちろん二元論であれば、悪いことも存在するので、娘たちにはあえて戦争の話をすることもありますが、楽しいものをなるべく見せてあげたい。これは、いつも読み聞かせている谷川俊太郎さんの「生きる」という詩にも教えていただきました。「世界の豊かさを見る」という谷川さんの観点が表れていると思うんです。日常の中の豊かさを一生懸命見ようと。日の光が綺麗だとか、美味しい紅茶が飲めたとか…。ささやかなものにこそ豊かさがあるんだという教えですね。なので、毎日いいものをたくさん見て感じてきてねという思いも込めて、娘たちには「今日も楽しんできて」と声をかけています。

ルール3:素朴な疑問を投げかける

私は、こども達に対して「なんで空は青いの?」「宇宙はどこまで広がっているの?」という、人間や自然の原理についての話題を振るようにしています。それは、勉強の根本には人間の素朴な疑問があると思っているから。例えば、「宇宙はどこまで広がっているの?」という疑問には、物理学が必要になり、物理学を学ぶには数学の知識が不可欠です。また、「人間はいつからいるの?」という疑問には、歴史や生物学が関わってくると思います。生きている中で、日々このような素朴な疑問があると、そこから派生している学問が楽しめるのではないでしょうか。私の中学校時代の友人も「宇宙の広がりについて考えてみよう」という疑問から全ての物事の説明がつくことに気がつき、物理学や量子力学など学問にも前向きに取り組めたそうです。私も早くにこの観点を持っていたら前向きに勉強を取り組めたはずなので、ことあるごとに、娘たちに問いかけることを心がけています。少しでも「なんで?」 と疑問に思うことが大切で、それを解決するために必要な勉強を楽しいと思ってくれたら嬉しいですね。

森岡督行/森岡書店 店主

1974年山形県生まれ。98年学術書などの古書を扱う一誠堂書店に入社、8年間の勤めを経て、2006年、東京・茅場町の古書店・ギャラリー〈森岡書店〉をオープン。16年5月に銀座一丁目に移転し、一冊の本を売る書店〈森岡書店銀座店〉をオープンした。

 

Illustrator:Yuka Okazaki / https://www.instagram.com/y_k_o_k/

 

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