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21

September

2018

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あの仕事を終えたら、読みたい本。vol.8

キッザニアで体験できる職業をテーマに、ブックディレクターの山口博之さんが本を紹介する連載。第8回目に取り上げるのは、精米工場、歯科医院、ソーセージ工房に関わる本です。セレクトしたのは、いろんな職業の方に“おにぎりライフ”を取材した本や、虫歯にならずにいつも笑顔でいられる絵本、豚1頭が多様な製品に生まれ変わる写真集。ブックディレクターの視点とともに、気になる1冊をお楽しみください。


 

『おむすびのにぎりかた』

この本にまつわる仕事 「精米工場」

出版社:ミシマ社

キッザニア甲子園で精米について学んだお子さんと一緒に読んでいただきたいのは、『おむすびのにぎりかた』です。創作料理研究家の宮本しばにさんが、いろんな職業の方におにぎりの思い出やこだわりを取材して、レシピとともに紹介しています。ただ握るだけのおにぎりですが、形や具材、塩加減などによって完成形は様々。実はそこには個性と技術があって奥深いんですよね。三角形と俵型のおにぎりではどんな違いあるのか? のりで全体を包む派か、真ん中に巻く派か。また、のりは食べる直前に巻く方がパリッとしておいしいなんて話もありますよね。この本にはホームパーティに出せるようなおしゃれなものまであって、“おにぎりライフ”の充実ぶりを感じます。そして、おいしいおにぎりのイメージは、必ずしもみんなが一致するわけではなく、こどもの頃に食べた味の記憶とも関係しています。「理想のおにぎりって?」という問いに答えはないですが、コーヒーと同じで、人に作ってもらったものが一番おいしいのかもしれません。是非、アクティビティ体験後に持ち帰るお米を使って、お子さんと一緒におにぎりを作ってみてください。

 


 

『はははのはなし』

この本にまつわる仕事 「歯科医院」

出版社:福音館書店

「毎日、こどもに歯を磨いて欲しい」と願っているご両親にお薦めしたいのが、絵本作家、加古里子さんの『はははのはなし』。絵本を開くと、こども達がみんな笑顔なのに、ひとりだけ泣いている子がいます。虫歯があって笑えないんですね。その後のストーリーでは、虫歯になる理由や治療方法を、科学的な根拠とともに、分かりやすく紐解いていきます。石臼と同じ構造になっている奥歯の機能。食べかすと菌が一緒になって酸が生まれ、虫歯になる仕組み。そして甘いものを食べすぎると虫歯になるから気をつけよう、というメッセージが込められています。アニメでは悪役キャラが虫歯を作るなんてストーリーもありますが、本当のことを分かりやすく伝えることも大事な教育の一つですよね。絵本では健康な歯を作るための栄養の話もあり、身体にいいものを食べましょうと諭してくれます。こども達が「はははっ」と笑顔でいられるために、健康な歯であって欲しいものですね。

 


 

『PIG 05049』

この本にまつわる仕事 「ソーセージ工房」

出版社:FLOCKS

お子さんがソーセージ工房で食品の成り立ちについて興味を抱いたら、綿密なリサーチをして本を作るChristien Meindertsmaの『PIG 05049』を一緒に読んでみてください。「05049」は豚の識別番号で、この豚1頭からどんな製品が作られていくのかを徹底的に調べています。豚肉、豚足、キッザニアでも作るソーセージなどの食べ物はもちろん、コラーゲンからゼラチンを抽出して、保湿マスクやフィルムの原料になったり、脂肪が石鹸やキャンドルに使われていたり。他にもグローブやクレヨンなど、こどもが身近に感じる製品も登場します。一般的に、製品の原材料を表示していても、その原材料が何からできているかまでは表示されません。いろんな製品の写真を見ながら「これにも豚が使われているんだ!」という驚きがあるはずです。有機物から無機物が作られる事実や、食べているものと普段接している製品が、豚という軸を通じて近しい存在であることを学べる本。人と動物の関係や環境問題、産業などなど様々なものごとを考える第一歩として、ぜひお勧めです。

 

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.1

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.2

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.3

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.4

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.5

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.6

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.7

あの仕事を体験したら、読みたい本。vol.9

 

 

山口博之

1981年仙台市生まれ。立教大学文学部英米文学科卒業。大学在学中の雑誌「流行通信」編集部でのアルバイトを経て、2004年から旅の本屋BOOK246に勤務。06年、幅允孝が代表を務める選書集団BACHに入社。様々な施設のブックディレクションや編集、執筆、企画などを担当。16年に独立。様々な場所のブックディレクションをはじめ、ブランドや広告のディレクション、さまざまな編集、執筆、企画などを行なっている。手がけた書籍は『KIGI』、『持ってゆく歌、置いてゆく歌』(大谷能生)、『ヨコちゃんとライオン』(角野栄子)、『蝙蝠』(ミヤケマイ)などがある。現在、honeyee.comでブックレビューを連載中。

 

この記事で紹介されたアクティビティ

「精米工場」
キッザニア甲子園

「歯科医院」
キッザニア東京 / キッザニア甲子園

「ソーセージ工房」
キッザニア東京 / キッザニア甲子園

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